東日本大震災が動機、大手ゼネコン6年の女性施工管理が専門工事業に転向した話

わたしの履歴書
源さん
源さん

今回は、東日本大震災をきっかけに建築の道を志して、大手ゼネコンで6年間施工管理をやってきた女性の話を聞いてきたぞ。
女性1人の現場も経験しながら2級建築士と1級建築施工管理技士を取得して、専門工事業への転職を決断したナナコさんだ。
「なぜ施工管理を選んだのか」「転職を決めたのはなぜか」「総合建設業と専門工事業は何が違うのか」。本音で話してもらったぞ。

自己紹介:震災をきっかけに建築の道へ、大手ゼネコン6年から専門工事業へ

今回話を聞かせてもらったのはナナコさんだ。両親ともに建築に関わる仕事に従事しており、幼いころから建築への興味を自然に持って育ってきた。2018年に建築系の専攻を卒業して、東海地方の大手ゼネコンに新卒入社。民間マンションや公営団地の解体・新築工事を中心に、6年間施工管理業務に従事してきた。

2023年12月に転職して、現在は専門工事業の管理部で積算・現場管理・安全管理・書類作成など幅広い業務を担当している。総合建設業で現場全体を俯瞰する施工管理を経験した上で、専門工事業という別の立場から現場に関わるようになった。

「施工に興味を持つようになったきっかけは東日本大震災でした」とナナコさんは話す。美術や歴史の観点から建築に興味を持っていた高校生が、震災を機に「施工の重要性」を深く考えるようになった。その原体験が、今も仕事の根っこにある。

施工管理ライター募集

「災害に負けない建物を作りたい」東日本大震災が施工管理を目指す動機になった

源さん
源さん

施工管理を目指したきっかけを教えてもらえますか?

ナナコさん
ナナコさん

東日本大震災です。
ちょうど高校入学の年で、これからの進路を考えていた時期でした。
自然災害によって多くの人が命を落とし、生活が一変する瞬間を目の当たりにして、建物の強さとそれを支える施工の重要性を深く考えるようになりました。

源さん
源さん

それまでは建築にどんな興味を持っていたんですか?

ナナコさん
ナナコさん

幼いころから美術館で建築家の展示を見たり、世界遺産の寺院を訪れたりすることが多くて、建築の美しさや歴史的価値に触れる機会が多かったです。
当時は施工面ではなく、美術や歴史の観点から楽しんでいた感じでした。
震災を通じて、建築の意味が「美しさや歴史的価値」だけじゃなく「人々の生活を守り、命を守るための力強い存在」に変わったんです。

源さん
源さん

その思いが今も続いていますか?

ナナコさん
ナナコさん

続いています。
転職した今でも、かつて管理した建物の近くを通るとついつい「どんな人がそこで生活しているのか」「どのように使われているのか」と見てしまいます。
何もなかった土地に建物が作られて、地図に残り、人々がそこで生活していく。
それがこの仕事の一番のやりがいだと思っています。

「建築の意味が変わった」という表現が印象に残った。美しさや歴史への興味が、震災を機に「人を守る力」への関心に変わる。その転換点が高校生のときにあったから、6年間大手ゼネコンで現場を走り続けられたんだと思うぞ。

大手ゼネコンで女性1人の現場、6年間で積み上げたもの

源さん
源さん

ゼネコン時代の具体的な仕事を教えてもらえますか?

ナナコさん
ナナコさん

主に壁式RC造の建築に携わっていました。
民間マンション・社員寮・県営住宅の新築工事が中心で、日々の仕事は安全管理、施工図作成、品質管理の写真撮影、下請け業者との打ち合わせや指示がメインです。

源さん
源さん

女性1人の現場も経験したとのことですが、どうでしたか?

ナナコさん
ナナコさん

チームに女性が少なくて、時には私1人のこともありました。
体力面や筋力で気を遣わせてしまうこともあったと思います。
ただ「女性がいることで現場のひりついた雰囲気が柔らかくなる」「無理なお願いをしなければならないときでも反発が少なくて良い雰囲気で仕事ができる」と言ってもらえることもあって、それは自分の強みになっていたと思っています。

源さん
源さん

6年間で一番大変だったのはどんな部分ですか?

ナナコさん
ナナコさん

夏場の暑さと残業時間の長さです。
近年の暑さは異常なレベルで、どれだけ休憩をとって水分補給をしていても体力は奪われていく。
業務上長袖長ズボンは必須なので、外での仕事は本当にきつかったです。
残業については、日中は現場に出て職人さんの対応や現場の納まりチェックをしなければいけないので、施工図の作成や事務仕事は現場の鍵を閉めてから。平均して家に帰れるのは22時くらいでした。

「平均帰宅22時」という数字が、ゼネコン現場の実態を一言で表している。日中は現場に出ざるを得ない構造上、書類仕事は夜になる。これは施工管理をやってきた人間なら全員分かる話だと思う。

その環境で6年間やり続けながら、2級建築士と1級建築施工管理技士を取得したのは、相当な意志の強さがあったということだぞ。

平均帰宅22時、残業と暑さの現場で転職を考えるようになった理由

源さん
源さん

転職を考えたのはどんなタイミングだったんですか?

ナナコさん
ナナコさん

残業や休日出勤が多くて、自分の時間が全く取れないことへの不満がずっとありました。
いつか転職しなければという思いは前からあったんですが、「何のスキルもないまま転職するのは不安だ」という気持ちもあって、なかなか踏み切れなかった。
担当する物件が途切れることなく次々に割り当てられて、辞めると言い出せない時間が続いていました。

源さん
源さん

何が転職の背中を押したんですか?

ナナコさん
ナナコさん

2級建築士と1級建築施工管理技士を取得できたことです。
資格を取得することで少しずつ自分の成長を実感できるようになって、これからのキャリアに対しても自信が持てるようになった。
その後、大きな物件を任されることになって、「この物件が終わったら転職しよう」と心の中で決意することができました。

「何のスキルもないまま転職するのは不安」という感覚は、施工管理をやっている人間には共感できる話だと思う。毎日現場で走り続けているけど、「自分の市場価値がどのくらいあるのか」が見えにくい。

資格という形で自分の成長を可視化できたことが、ナナコさんの転職決断につながった。資格は正社員でも派遣でもどこに行っても使えるポータブルな武器だ、という話がここでも当てはまるぞ。

資格取得が「この物件が終わったら転職しよう」という決断を後押しした

源さん
源さん

資格取得の過程で苦労したことはありましたか?

ナナコさん
ナナコさん

平均帰宅22時の生活の中で勉強時間を確保することが一番大変でした。
現場が忙しい時期は勉強どころじゃない日も多くて、試験直前に追い込む形になることもありました。
ただ「スキルがないまま転職するのは不安」という気持ちが強かったので、資格取得だけは諦めないようにしていました。

源さん
源さん

資格を取ってから、現場での立場は変わりましたか?

ナナコさん
ナナコさん

変わったと思います。
1級建築施工管理技士を取得してから、発言に説得力が出てきた感覚がありました。
職人さんや下請け業者との打ち合わせでも、資格を持っている人間として見てもらえる空気が出てきた。
女性で若手というハンデを、資格と経験で少しずつ埋めていけた感覚があります。

「資格と経験で少しずつ埋めていけた」という言葉が、6年間の積み上げを一言で表していると思う。

女性・若手・現場経験が浅い。最初の現場ではそれが全部重なっていたはずだ。それを資格取得という具体的な行動で変えていったのは、ナナコさんが自分のキャリアを主体的に動かしてきた証拠だぞ。

総合建設業から専門工事業へ、立場が変わって見えてきた施工管理の違い

源さん
源さん

専門工事業に転向して、総合建設業との一番の違いは何でしたか?

ナナコさん
ナナコさん

管理の「深さ」が違います。
総合建設業は現場全体を俯瞰して管理する仕事でしたが、専門工事業は特定の工種を深掘りして、より現場に寄り添う感覚に近い。
積算や材料の発注、作業員の手配、協力業者への応援依頼など、一つの工種に関わる業務を幅広く担当しています。

源さん
源さん

総合建設業での経験は専門工事業で活きていますか?

ナナコさん
ナナコさん

活きています。
現場全体の流れを把握して管理する能力が身についていたことで、専門工事業での仕事もスムーズに入れました。
元請けの施工管理がどんな動きをしているかを知っているので、専門工事業の立場から何をすれば現場がスムーズに進むかがイメージしやすいんです。

源さん
源さん

転向して気づいた、専門工事業の面白さはどこですか?

ナナコさん
ナナコさん

特定の工種を深く知っていくことの面白さです。
総合建設業では現場全体を追いかけるので、一つの工種を深掘りする時間が取りにくかった。
専門工事業はその逆で、一つの分野を徹底的に理解していける。
同じ施工管理でも、全体を見る仕事と深く掘る仕事では、面白さの種類が全然違うと感じています。

「全体を見る仕事と深く掘る仕事」という表現が、総合建設業と専門工事業の違いをうまく表していると思う。

どちらが上とかじゃなくて、向き不向きと自分のキャリアの方向性で選ぶ話だ。ナナコさんが6年間総合建設業で「全体を見る力」を身につけたからこそ、専門工事業での「深く掘る仕事」に入りやすかったという話は、キャリアの積み方として参考になるぞ。

転職先の現場で以前の職人さんと再会する、現場の人脈が持つ意味

源さん
源さん

転職後の現場で、以前の職人さんと再会することがあるそうですね。

ナナコさん
ナナコさん

あります。
大きな工事現場に足を踏み入れたとき、以前お世話になった職人さんと再会することがある。
「久しぶり!」と声をかけていただくたびに、自分が築いてきた人とのつながりを大切にしてきたのかを実感します。

源さん
源さん

その再会はどんな意味を持っていますか?

ナナコさん
ナナコさん

転職しても人脈は続くということです。
会社を変えても、現場で築いた関係は消えない。
むしろ専門工事業の立場で再会すると、元請けのときとは違う形で協力し合える場面が出てくる。
現場での人間関係を丁寧に積み上げてきたことが、転職後にも確実に活きていると感じています。

「会社を変えても、現場で築いた関係は消えない」という話は、施工管理のキャリアを考えている人間全員に伝えたい話だと思う。

現場の人脈は会社の資産じゃなくて、自分の資産だ。丁寧に積み上げてきた関係が、転職後の現場でも力になる。ナナコさんの話には、その実感がそのまま出ていたぞ。

女性施工管理のキャリアと、専門工事業という選択肢の可能性

源さん
源さん

ナナコさんの話を聞いて改めて感じたのは、女性施工管理のキャリアパスが広がってきているということだ。
総合建設業から専門工事業への転向という選択肢が持つ可能性と、業界の変化について話すぞ。

資格取得が「転職できる自信」に変わる、施工管理ならではの話

ナナコさんが転職を決断できたのは、2級建築士と1級建築施工管理技士を取得したことが大きかった。「何のスキルもないまま転職するのは不安」という感覚を、資格という形で解消した。

施工管理の資格は、会社を変えても業界を変えても使えるポータブルな武器だ。平均帰宅22時の生活の中で勉強時間を作って取得したその事実が、転職市場での説得力になる。「資格を持っている人間」という評価は、次の職場でもゼロから始まらないことを意味するぞ。

この記事の主人公も、最初の一歩は相談からだったぞ。

総合建設業の経験が、専門工事業への転向でそのまま武器になる

現場全体を俯瞰して管理してきた総合建設業の施工管理経験は、専門工事業に転向したとき「元請けの動きが分かる人間」という強みになる。専門工事業は元請けと密に連携しながら動く仕事だから、元請けの施工管理を経験している人間は、両側の事情を理解した上で動ける。この視点は、専門工事業だけのキャリアを歩んできた人間には持ちにくいものだぞ。

女性技術者が施工管理で活躍できるフィールドは確実に広がっている

ナナコさんが「女性がいることで現場のひりついた雰囲気が柔らかくなる」と言われた話は、現場文化の変化を示していると思う。以前は「女性には無理な現場」という空気が強かった業界で、女性技術者の存在が現場にプラスをもたらすという評価が出てきている。施工管理を目指す女性や、現場で孤軍奮闘している女性技術者には、【女性施工管理】「現場は男社会」を乗り越えろ!ベテラン女性施工管理が語るキャリア論も合わせて読んでくれ。

まとめ

ナナコさんの話を通じて一番伝えたいのは、「施工管理で積み上げてきた経験と資格は、転職後も必ず武器になる」ということだ。総合建設業での6年間、女性1人の現場も経験しながら資格を取得して、専門工事業への転向を決断した。その過程に、現場で生き抜いてきた人間の強さがある。

「転職先の現場で以前の職人さんと再会する」という話が、このキャリアの積み方の正しさを証明していると思う。会社を変えても、現場で築いた関係は続く。丁寧に人と向き合ってきた人間には、そのつながりが次の現場でも力になる。

「残業が多くて自分の時間が取れない」「転職したいけどスキルが足りない気がする」という施工管理の人間には、ナナコさんの話は参考になるはずだ。まず資格取得という具体的な行動から始めることが、次のステップへの入口になるぞ。キャリアの選択肢を整理したいなら、RSG建設転職の評判を発注者側が語る。施工管理からの転職に使えるのかも参考にしてくれ。