土木業界の未来を支える:ゼネコンから採用代行会社へ転職した私のストーリー

わたしの履歴書
源さん
源さん

今回は、大手ゼネコンで6年間施工管理をやってきて、土木業界の採用代行会社に転職した健太さん(29歳)に話を聞いてきたぞ。
施工管理から採用の仕事への転向は、一見遠い話に見えるかもしれない。でも話を聞いてみると、「現場を知っている人間だからこそできる仕事」という筋が一本通っていた。
人手不足、長時間労働、全国転勤。施工管理のリアルな課題と向き合いながら、業界の外側から土木を支える道を選んだ健太さんの話を聞いてくれ。

自己紹介:大手ゼネコン6年、数億円規模の現場から採用代行会社へ

今回話を聞かせてもらったのは、29歳の健太さんだ。新卒で大手ゼネコンに入社して、約6年間施工管理に携わってきた。元請け業者として数億円規模の工事を担当してきた人間だ。

「東日本大震災が中学3年生のときで、インフラの重要性を身に染みて感じました。道路も水道も電気も、多くの人が少しずつ整備してきたものだと気づいて、自分も土木業界に関わりたいという気持ちが芽生えていました」と健太さんは振り返る。

震災という原体験が、ゼネコンへの入社動機につながっているのは、この世代の土木系人材には珍しくない話だ。

現在は土木関連企業の採用代行会社に勤めており、求人票の作成から採用方法の選定、面接対応のアドバイスまで、企業の採用活動を一手にサポートしている。

「土木出身者だからこそ伝えられる魅力がある」という確信が、この転職を後押しした。

わたしの履歴書
  • 中学3年生
    東日本大震災を経験
    インフラの重要性を身に染みて感じ、土木業界に関わりたいという気持ちが芽生える。
  • 新卒
    大手ゼネコンに入社
    元請け業者として数億円規模の工事を担当。火力発電所のリニューアル工事では護岸工事の施工管理を任される。
  • 入社6年目
    土木関連企業の採用代行会社に転職
    結婚・妻の妊娠を機に転職を決断。求人票作成・採用方法の選定・面接対応アドバイスなど、企業の採用活動をサポート。
  • 現在(29歳)
    採用代行会社に在籍
    土木出身者ならではの視点で求人票を作成し、業界の人手不足解消に取り組んでいる。
施工管理ライター募集

転職のきっかけ:月60時間残業の現場で「人手不足を解決したい」と思った日

源さん
源さん

転職を考えたのはどんなタイミングだったんですか?

健太さん
健太さん

きっかけは2つあって、仕事面とプライベート面です。
仕事面では、現場にいる中で常に人手不足を感じていました。月60時間を超える残業、土曜日出勤は当たり前という環境で、「この状況を改善するには、もっと多くの人に土木業界に入ってきてもらうしかない」という思いが強くなっていきました。

源さん
源さん

それが採用代行という仕事への興味につながったんですね。プライベート面ではどんな変化がありましたか?

健太さん
健太さん

結婚したことが大きかったです。独身のうちは体力と若さで乗り越えられていた残業や休日出勤も、家族ができると話が変わってくる。
妻の妊娠が分かったとき、「このまま全国転勤ありの働き方を続けるのは無理だ」と思いました。出産・子育てのことを考えると、一つの地域に根差して働ける環境が必要だと、妻と話し合って転職を決めました。

源さん
源さん

仕事への使命感と家族への責任感、両方が重なったタイミングだったんですね。

健太さん
健太さん

そうですね。どちらか一方だけなら、もう少し悩んでいたかもしれません。
ただ2つが重なったとき、「今動かないといつ動くんだ」という気持ちになりました。家族を支えるための収入は大事ですが、そのために家族との時間を犠牲にしたり体を壊したりしては本末転倒だと思ったので。

「本末転倒」という言葉が刺さった。施工管理をやっていると、いつの間にか「仕事を続けること」が目的になっていく。でも本来は家族のために稼ぐはずが、家族との時間がなくなっていく。

健太さんが結婚・妊娠というタイミングでそこに気づいて動けたのは、早い判断だったと思うぞ。

火力発電所の護岸工事、所長から「お前に任せる」と言われた瞬間

源さん
源さん

ゼネコン時代、具体的にどんな現場を担当していましたか?

健太さん
健太さん

火力発電所のリニューアル工事現場に配属されていました。何百人という作業員さんが入っている大きな現場で、その中でも護岸工事の施工管理を担当していました。
日々の工程管理・品質管理・予算管理・安全管理をこなしながら、他の施設を担当している施工管理とも連携して、現場全体が遅れないよう動いていました。

源さん
源さん

一番やりがいを感じた瞬間はどこでしたか?

健太さん
健太さん

所長から「護岸工事はお前に任せる」と言われたときです。火力発電所は海沿いに建てられることが多いので、護岸工事は現場全体を波や浸食から守るための最重要工事なんです。
その重要性を分かったうえで任されたとき、全身からやる気がみなぎってきました。無事完了したときの達成感と自信は、今でも自分の中に残っています。

源さん
源さん

逆に、一番きつかった部分はどこでしたか?

健太さん
健太さん

作業員さんとのコミュニケーションですね。発注者の急な計画変更や予算・工期の都合で、無茶なお願いをせざるを得ない場面が何度もありました。
その都度お叱りを受けながら、最大限の誠意で向き合い続けることで、少しずつ打ち解けていった。業務外での食事会や飲み会が関係構築につながった経験もあります。

「所長から任された」という経験の重さは、施工管理をやってきた人間には分かる話だ。

特に数億円規模の現場で、現場全体を守る護岸工事を任されるというのは、並大抵のプレッシャーじゃない。その経験が健太さんの自信の土台になっているのが、話を聞いていて伝わってきたぞ。

結婚・妻の妊娠で気づいた、全国転勤ありのゼネコン施工管理の限界

源さん
源さん

全国転勤の問題は、転職前からずっと気になっていたんですか?

健太さん
健太さん

独身のうちはそこまで深刻には考えていなかったです。
でも結婚して、妻の妊娠が分かった瞬間に「これは現実的に無理だ」と思いました。出産・子育てのタイミングで転勤が重なったら、妻に全部背負わせることになる。それは絶対に避けたかった。

源さん
源さん

施工管理を続けながら、転勤なしで働く選択肢は検討しましたか?

健太さん
健太さん

同業他社への転職も考えましたが、大手ゼネコンである以上、転勤のリスクはどこも似たようなものです。
地場のゼネコンに移れば転勤は減りますが、現場の規模や環境が大きく変わる。それよりも、土木業界に関わりながら別の形で貢献できる仕事を探した方が、自分の気持ちに正直だと思いました。

「転勤なし」を選ぼうとすると、大手ゼネコンの施工管理では選択肢が狭くなるのは現実だ。転勤なし求人の探し方については「もう全国出張は嫌だ…」転勤なし・エリア限定で働ける優良ゼネコンの探し方にまとめてあるから、同じ状況で悩んでいるなら参考にしてくれ。

健太さんの場合は「転勤なしで施工管理を続ける」より「土木業界に別の形で関わる」という方向に舵を切ったわけだが、そこに使命感と家族への責任感が重なっていたから、決断できたんだと思う。

土木出身者が採用代行をやると、何が変わるのか

源さん
源さん

今の採用代行の仕事で、施工管理の経験が一番活きていると感じる場面はどこですか?

健太さん
健太さん

求人票の作成です。企業の人事担当者にヒアリングして求人票を作るんですが、土木の仕事を経験していると「この表現は現場をやったことがない人間には伝わらない」「ここはもっとリアルに書いたほうが共感される」という判断ができます。
土木未経験者が作った求人票とは、中身の解像度が全然違うんです。

源さん
源さん

具体的に、求職者からどんな反応がありましたか?

健太さん
健太さん

実際に私が担当した企業に入社した方から「魅力も大変なところも分かりやすく書かれていて、挑戦してみたいと思った」という言葉をもらったことがあります。
土木の仕事の魅力だけじゃなく、きつい部分も正直に書くことで、入社後のミスマッチが減る。現場を経験した人間だからこそ、その両方をリアルに書けるんだと思っています。

源さん
源さん

企業の人事担当者とのやり取りでも、現場経験は活きていますか?

健太さん
健太さん

かなり活きています。工種や資格の話、現場の労働環境の話になったとき、土木未経験の採用担当者だと「それってどういう意味ですか」と聞き返す場面が出てくる。
俺は現場にいたから、そこで話が止まらない。企業側も「土木が分かる人間と話せる」という安心感を持ってくれているのを感じます。

「土木が分かる人間と話せる」という安心感は、発注者サイドにいた俺も実感してきた話だ。

専門用語や現場の実態を共有できるかどうかで、打ち合わせの密度がまるで変わる。健太さんが採用代行という仕事で信頼を得られているのは、6年間現場で本気でやってきた積み重ねがあるからだぞ。

施工管理経験者が採用の仕事に転向して気づいた、土木業界の構造的な問題

源さん
源さん

採用代行の仕事をやってみて、施工管理のときには見えなかった業界の問題が見えてきた部分はありますか?

健太さん
健太さん

現場にいるときは「人手が足りない」という感覚はあっても、なぜ足りないのかまで考える余裕がなかったんです。
採用の仕事をやるようになって、「土木業界の情報が求職者に届いていない」「働き方のきつさは伝わっているが、やりがいや魅力が伝わっていない」という構造的な問題が見えてきました。

源さん
源さん

求人票の質が、採用結果に直結するということですか?

健太さん
健太さん

そうです。あと応募者への対応スピードも重要で、求人が多い今の状況では、返信が遅いだけで応募者を失うことがある。企業側がそこまで意識できていないケースが多くて、対応の仕組みを整えるところからアドバイスすることも多いです。
採用は「いい人が来てくれるのを待つ」じゃなくて、「取りに行く」ものだという意識に変えてもらうのが、最初の仕事になることが多いですね。

「採用は取りに行くもの」という感覚は、施工管理の「工程は作るもの」という感覚に近い。待っていても現場は動かない、というのと同じだ。

健太さんが現場経験を採用の仕事に応用できているのは、根っこにある「能動的に動く」という姿勢が共通しているからだと思うぞ。

土木業界で生きる人間が、次のキャリアを考えるときに持っておきたい視点

源さん
源さん

健太さんの話を聞いて改めて感じたのは、施工管理の経験は「現場を離れたあとのほうが価値が見えやすくなる」ということだ。採用代行という一見遠い仕事でも、現場を知っているかどうかで仕事の質がまるで変わる。

「現場の外側」から土木業界に関わる選択肢は、思っているより広い

施工管理からのキャリアチェンジというと、発注者支援業務やデベロッパー、不動産といった方向が真っ先に浮かぶだろう。ただ健太さんのように「採用」という切り口で土木業界に関わる道もある。設計・積算・公務員土木職・建設コンサルタント。現場から離れる選択肢は、思っているより幅広い。

大事なのは「土木の仕事の中の何に自分は興味があるか」を一度整理することだ。施工管理のキャリアパスの全体像については施工管理のキャリアパス「完全マップ」現場から発注者・内勤までを参考にしてくれ。

この記事の主人公も、最初の一歩は相談からだったぞ。

結婚・子育てのタイミングは、キャリアを見直す最大のチャンスだ

健太さんが転職を決断したのは、妻の妊娠というタイミングだった。「家族のために稼ぐはずが、家族との時間がなくなっていく」という矛盾に気づいたのが、動くきっかけになった。施工管理をやっていると、このタイミングを見逃して「もう少し頑張ってから」と先延ばしにしやすい。

ただ子供が生まれてからでは、転職活動に使える時間とエネルギーが一気に減る。健太さんのように「妊娠が分かったタイミング」で動けたのは、結果的に正解だったと俺は思っている。

土木業界の人手不足は、現場にいる人間にしか解決できない

健太さんが採用代行の仕事を選んだ理由の一つは、「土木出身者だからこそ伝えられる魅力がある」という確信だった。

人手不足の解消は、業界の外から号令をかけても進まない。現場のリアルを知っている人間が、求職者に向けて正直に発信することで初めて動く話だ。これは採用代行に限らず、施工管理経験者が異業種で活きる場面の本質でもある。「現場を知っている」という経験は、業界を変える力になるぞ。

まとめ

健太さんの話を通じて一番伝えたいのは、「施工管理の経験は、現場を離れた後のほうが価値が明確になる」ということだ。

採用代行という仕事でも、土木の現場を知っているかどうかで求人票の質が変わり、企業との信頼関係が変わり、採用結果が変わる。6年間現場で積んできた経験が、業界の人手不足解消という形で活きているのは、筋の通ったキャリアだと思うぞ。

結婚・妻の妊娠というタイミングで転職を決断したことについて、健太さんは「家族を支えるために稼ぐはずが、家族との時間を犠牲にしては本末転倒」と話してくれた。

この感覚は、施工管理をやってきた人間なら一度は頭をよぎる話だ。そのタイミングで動けるかどうかが、その後のキャリアと生活の質を大きく変える。

「土木の仕事の中の何に興味があるか」を今一度考えてみてくれ。現場でもいい、現場の外側でもいい。施工管理の経験は、どんな方向に進んでも必ず武器になる。転職を含めた選択肢を整理したいなら、RSG建設転職の評判を発注者側が語る。施工管理からの転職に使えるのかを参考にしてくれ。