
この記事では、そんな現場を経験した松田さんが、施工管理から設計コンサルタントに転職した話を語ってくれている。現場での苦労ややりがい、そして新たな挑戦に向けた転機――これは、現場で奮闘する俺たちにとっても学ぶことの多い内容だ。転職を考えている人も、今の仕事を続けようか悩んでいる人も、きっと参考になるはずだよ。
Q.簡単に自己紹介をお願いできますか?
はじめまして、松田と申します。現在39歳で、水道や下水道の設計を手がけるコンサルタント会社に勤めております。
30歳までは、水道工事や下水道工事の現場監督として8年間の経験があります。前職の現場監督時代は、設計との違いによる問題や、住民からのクレームに毎日対応しながら、工期内に工事を完成させるため、行政機関や地元との調整、そして適切な工程管理に努めていました。
現在は設計コンサルタントとして、設計図面や積算の業務を担当していますが、過去の現場管理の経験を活かし、より効率的で実用的な設計案を提供しています。
Q.新卒で施工管理のお仕事を選ばれたのは、どんな理由からですか?
私が新卒で施工管理の仕事を選んだのは、私の家庭環境が大きく関係しています。私の父は道路工事の現場監督として働いており、子どもの頃から工事現場の話をよく聞いていました。
そのため自然とその世界に興味を持ち始めました。詳しい仕事内容は、幼い私には理解できなかったものの、父が現場監督を務めた新しい道路を一緒に見に行ったときの感動は今でも鮮明に覚えています。
大学進学を考えていた際に、ふと父の仕事を思い出し、土木工学を専攻することを決めました。大学では数学や物理などの基礎科目に加え、水理学、測量、設計、現場の安全管理など、土木工学の基礎知識を幅広く学ぶことができました。これらの学びが、後に現場監督としての仕事に役立つ基礎となったと感じています。
Q.具体的にどのようなプロジェクトや業務を担当していましたか?
私が担当していたのは水道管や下水道管の布設工事の現場監督でした。具体的には、工事を受注した後の地元への周知、施工手順の計画、現場管理、工程調整、写真管理、そして最終検査までのすべての工程を統括していました。
私のチームは、重機操作員、配管工、残土運搬員、交通誘導員から構成されていました。私の主な役割は、現場監督として、これらのチームメンバーがスムーズに作業を進めるための調整を行うことだったと思います。
また、現場では予期せぬ問題が頻繁に発生します。例えば、水道管や下水道管を布設する箇所に不明の地下埋設物が発見された場合、迅速に対応策を練り、発注者と協議しながら問題解決に取り組む必要がありました。このように、日々変化する現場の状況に柔軟に対応することが求められる仕事でした。
日々の業務は、毎朝の安全会議で始まり、チームと危険要因を共有した後、現場管理に専念していました。夕方になって事務所に戻ってからは、書類整理などの事務作業に追われる忙しい日々を送っていました。
Q.施工管理のお仕事で、一番楽しかったこと、やりがいを感じた瞬間は?
ある現場の工事には、数ヶ月から数年かかることもあります。その間には、厳しい天候の中での作業や予期せぬ地下埋設物の発見など、多くの課題やトラブルに直面します。これらの問題をチームで協力して解決し、計画通りにインフラ整備を完成させたときの達成感は何ものにも代えがたいものです。これが、施工管理の仕事で最もやりがいを感じる瞬間です。
一方で、施工管理の仕事で最も大変なのは、現場での安全管理です。建設現場は常に危険と隣り合わせで、特に重機を用いた作業や交通量の多い道路での作業には細心の注意が必要です。一瞬の油断が大事故につながる可能性があり、実際に同僚が工事現場で大きな事故にあったこともあります。
私は現場監督として、毎朝の安全ミーティングを徹底し、作業員が一人ひとり安全意識を持って作業に臨めるよう努めました。また、予期せぬ事故や問題が発生した際には、その原因を徹底的に分析し、再発防止策を講じることが求められました。現場監督は、精神的、肉体的にも大変でしたが、同時に重大な責任感を担う経験になったと感じています。
Q.施工管理から転職を考えたきっかけは、どんなことでしたか?
施工管理から設計コンサルタントへ転職を考えたきっかけは、ある工事現場での経験からでした。その現場では、特に複雑な水道管の布設替え工事を手掛けていた際、多くの問題が設計段階の課題に起因していることに気付きました。
例えば、現場状況や地下埋設物状況が設計内容と合っていないため、作業効率が悪く、余計なコストと時間がかかっていました。この経験を通じて、効率的なインフラ整備を実現するためには、設計段階で現場の知見を取り入れることの重要性を強く感じるようになりました。
そこで、施工管理で培った豊富な現場経験を活かし、自分自身が直接設計に関わることで、より効率的なインフラを構築できるのではないかという思いに至り、設計コンサルタントへの転職を決意しました。正直なところ、現場監督を長年勤めてきたので、設計の仕事に対する憧れもあったと思います。
Q.現在のお仕事は、どのような内容ですか?施工管理の経験は、今のお仕事にどう活きていますか?
現在、水道や下水道の設計コンサルタントとして勤務しており、新規の水道管路や下水道管路の設計、計画立案、既設管路の布設替え設計、耐震化工事の設計など、幅広い業務を手がけています。具体的には、見積り作成から始まり、受注後には現地調査、計画立案、工程作成、CADを用いた設計図作成、数量計算書作成、設計書作成、そして納品までを行います。
これらの仕事を進めるにあたり、前職での施工管理経験が、現在の設計コンサルタントとしての業務に非常に役立っていると感じています。特に、現場での具体的な作業工程をイメージし、実際の施工時に発生しうる問題を想像することで、より実用的で効率的な設計が可能となっています。これにより、設計段階で現場のトラブルを回避することができ、最適な施工手順や現場のコスト削減が図れています。
また、施工管理時代に培ったコミュニケーションスキルは、同僚や顧客、行政機関との交流にも非常に役立っています。工事現場についての正確な理解と適切な技術的アドバイスを提供することで、顧客からの信頼を得ることができています。
このように、施工管理での豊富な現場経験が、設計コンサルタントとしてプロフェッショナルな仕事を行うための貴重な糧となっています。
Q.現役で頑張っている施工管理の皆さんに、何かアドバイスはありますか?
施工管理の皆さんに、私自身の経験からいくつかのアドバイスをお伝えしたいと思います。施工管理は非常に過酷で要求水準が高い職種ですが、同時に大きな達成感と成長を得られる仕事です。建設業界では技術が絶えず進化しており、新しい建設材料、施工方法、デジタルツールが次々と導入されています。これらを現場で直接体験することは、これからの仕事に大いに役立つでしょう。
私が設計コンサルタントとして感じていることは、現場経験が何にも代えがたい価値があるということです。設計のみに従事してきた人には、現場作業の具体的なイメージが湧かないものです。インフラ整備においては、設計者も現場の知識が不可欠です。皆さんの施工管理としての技術は、設計者や行政機関の仕事でも確実に活かせるでしょう。
最後に、施工管理の仕事は、単に物を作るだけではなく、それに関わる人々の安全と幸福を守る重要な役割を担っています。この責任感を持ちながら業務に取り組むことが、プロフェッショナルとしての成長に繋がります。また、施工管理の仕事は時に長時間に及ぶことがありますが、健康とプライベートの時間を大切にし、適切な休息と趣味の時間を持つことで、効率が上がり長期的なモチベーションを維持できると思います。

いやぁ、この記事、なかなか読み応えあったな!施工管理から設計コンサルタントへ転職した松田さんのキャリア、ほんとにリアルで胸に刺さる内容だったよ。特に現場経験が設計にどう活きるかって話、これ、現場を知る人間だからこそ共感できる部分だよな。
例えば、設計と現場のギャップに気づいて、「もっと効率的な設計を提供したい」って思いに至るところ。これって、現場で汗かいて初めて見えてくる課題だと思うんだ。現場を知らない設計者が図面を引くと、どうしても「机上の空論」になりがちなんだけど、松田さんみたいに施工管理を経験した人が設計に回ると、現場視点がしっかり反映された図面になる。これが業界全体の質を底上げするって話、すごく納得できる内容だったよ。
それから、施工管理の大変さをしっかり伝えつつ、その仕事の価値ややりがいにも触れているのがいいね。特に、「問題をチームで乗り越えて完成させたときの達成感」って話、まさに現場の醍醐味だよ。松田さんの経験談を読むと、施工管理の仕事を見直すきっかけにもなるし、自分のキャリアをどう活かしていくか考えさせられる。
あと、転職を考えてる人へのアドバイスも秀逸だと思ったな。「施工管理で培った経験はどこに行っても活きる」っていうメッセージ、現場で頑張ってる人たちへの力強いエールだよな。施工管理を辞めるのがゴールじゃなくて、次のキャリアにどう繋げるかを考えるきっかけになる記事だった。
現場のリアルがしっかり伝わる内容で、今まさに施工管理で奮闘している人にも、これから転職を考えてる人にも響く内容だと思うよ。こんな記事をもっとたくさん読んで、業界全体の未来について考えていきたいな。