長時間労働からの脱却―施工管理者が掴んだ働き方改革と成長の機会

わたしの履歴書
源さん
源さん

施工管理から同じ業界で転職して、働き方もキャリアの幅も変えた人間の話を聞いてきたぞ。
今回は、水処理設備の施工管理からキャリアをスタートして、より規模の大きな会社に転職した大村さんに話を聞いた。27歳で転職を決断した背景、転職してよかったこと、そして「施工管理の経験が今どう活きているか」まで、本音で語ってもらったから参考にしてくれ。

大村さんの自己紹介:水処理設備の施工管理からキャリアをスタート

今回話を聞かせてもらったのは、現在27歳の大村さんだ。大学で工学を学び、卒業後はエンジニアリング会社で水処理設備・排水処理設備の施工管理に従事してきた。工程管理・品質管理・安全管理をこなしながら、チームリーダーとしてプロジェクトを動かしてきた人間だ。

「水処理技術って、日常生活にも産業にも欠かせない分野なんです。大学で環境や持続可能なエネルギーをテーマに研究していたこともあって、社会に直接貢献できる仕事として施工管理を選びました」と大村さんは振り返る。

最初から「なんとなく施工管理」じゃなく、自分なりの理由があって飛び込んだ仕事だということが伝わってくる。

その後、働き方への限界とキャリアの幅を広げたいという気持ちが重なって転職を決断。現在は水処理技術に特化した専門企業で、設計から施工、メンテナンスまで一連のプロジェクトに関わる業務を担当している。

わたしの履歴書
  • 大学時代
    工学部で環境・水処理技術を研究
    持続可能なエネルギーや環境をテーマに研究。水処理技術の重要性に興味を持ち、施工管理の道を志す。
  • 大学卒業後
    エンジニアリング会社に入社
    水処理設備・排水処理設備の施工管理に従事。工程管理・品質管理・安全管理をこなしながら、チームリーダーとしてプロジェクトを担当。
  • 27歳
    水処理技術専門企業に転職
    設計から施工、メンテナンスまで一連のプロジェクトに関わる業務を担当。上流工程から現場まで幅広く携わる。
施工管理ライター募集

転職のきっかけ:3週間休めなかった夏が、背中を押した

源さん
源さん

転職を考えたのはどんなタイミングだったんですか?

大村さん
大村さん

前職では人手不足が深刻で、長時間労働と休日出勤が当たり前の状態でした。
一番きつかったのは、ある夏のプロジェクトで突発的なトラブルが続いて、3週間以上まともな休みが取れなかったときです。同僚と必死に乗り切ったんですが、そのとき初めて「この働き方を続けていていいのか」と本気で考えました。

源さん
源さん

体力的な限界だけじゃなくて、キャリアへの不満もあったんですか?

大村さん
大村さん

そうですね。前職は現場管理が中心で、設計や計画段階から携わる機会がほとんどなかったんです。
プロジェクト全体を俯瞰して、より高度な技術や規模の大きな案件に関わりたいという気持ちが強くなっていきました。働き方の問題とキャリアの問題が重なって、転職を真剣に考え始めました。

源さん
源さん

異業種への転職も考えましたか?

大村さん
大村さん

製造業や建築コンサルタントも視野に入れていました。
でも情報収集を進めるうちに、これまでの経験と専門知識を一番活かせるのはやっぱり同じ業界だと確信しました。今の会社は技術力と研修体制に魅力を感じて、ここで再スタートを切ることにしました。

「3週間休めなかった」という話は、施工管理をやってきた人間なら身に覚えがあるだろう。ただ大村さんが転職に踏み切れたのは、「逃げたかった」だけじゃなくて「こういうキャリアを積みたい」という方向性が明確だったからだと思う。その2つが重なったときに、人は動けるんだよな。

3週間休めなかった現場から転職して、週末に家族と過ごせるようになった

源さん
源さん

転職して、働き方はどう変わりましたか?

大村さん
大村さん

一番大きいのは、休日がちゃんと休めるようになったことです。前職では休日出勤が当たり前で、週末に何の予定も入れられない状態でした。
今は土日に家族と過ごせる時間が確保できています。あと、朝の時間に余裕ができたのも大きくて、前は現場に急いで向かうだけだった朝が、今は自分のペースで準備できるようになりました。

源さん
源さん

生活の感覚として、一番変わったと感じるのはどんな部分ですか?

大村さん
大村さん

疲労の蓄積の仕方が全然違います。前職では毎週末も気が抜けなくて、月曜日に「また始まった」という感覚で出社していました。今は週末にちゃんとリセットできるので、週明けの仕事へのモチベーションが違います。
あと、体調を崩しにくくなりました。以前は夏場の現場作業で毎年体を壊していたので。

「週明けのモチベーションが違う」という話は、休めていない人間には分からない感覚だ。施工管理をやっていると、休日も頭のどこかで現場のことを考えていて、本当の意味でリセットできない状態が続く。それが解消されるだけで、仕事のパフォーマンスも変わるし、家族との時間の質も変わる。数字には出ないが、これは大きな話だぞ。

現場を知っている人間が設計に関わると、何が変わるか

源さん
源さん

今の仕事では、施工管理の経験がどう活きていますか?

大村さん
大村さん

設計や企画段階から関わる機会が増えたんですが、そこで施工管理の経験が一番活きていると感じます。
現場を知らない人間が作った設計図には、「これ、実際の施工では無理だろう」という箇所が出てくることがあるんです。そういうところに気づいて指摘できるのは、現場を経験してきた人間の強みだと思っています。

源さん
源さん

具体的に、印象に残っている場面はありますか?

大村さん
大村さん

食品工場の排水処理設備を担当したとき、初期段階からコストと性能のバランスを考えながら提案できたことがあって。顧客から「長期的な視点での提案がありがたい」と言ってもらえました。
施工管理時代に培った「現場での現実的な判断力」が、提案の説得力につながった場面だったと思います。

源さん
源さん

以前の現場管理と比べて、やりがいの感じ方は変わりましたか?

大村さん
大村さん

施工管理のときは、設備が完成してクライアントから「ありがとう」と言われる瞬間が一番のやりがいでした。今は、プロジェクトの上流から関わって全体を動かすやりがいがあります。どちらが上とかじゃなくて、やりがいの種類が変わった感じです。

「現場を知っている人間が設計に関わる」というのは、発注者サイドにいた俺も実感してきた話だ。

図面上では成立していても、実際の施工では無理が出るポイントというのは確実にある。それを上流で潰せるかどうかで、現場の負担がまるで変わる。施工管理の経験は、現場を離れてからのほうが価値が見えやすくなるってやつだな。

水処理設備の専門企業、設計から現場まで1日の動き

源さん
源さん

今の仕事の具体的な内容と、1日の流れを教えてもらえますか。

大村さん
大村さん

水処理設備の設計から施工、稼働後のメンテナンスまで、一連のプロジェクトに関わっています。
たとえば製薬工場向けのプロジェクトでは、極めて厳しい水質基準をクリアするために最新のろ過技術を組み込んだ設備の設置を担当しました。設計部門との調整や現場でのトラブル対応が、業務の中心になっています。

大村さん
大村さん

1日の流れとしては、朝は余裕を持って出社してメールや当日の工程確認からスタートします。午前中は設計部門との打ち合わせや資料作成、午後は現場確認や顧客対応が入ることが多いです。以前のように「朝5時に家を出て深夜に帰る」という日はなくなりました。

施工管理時代と比べると、1日の中に「考える時間」が増えている。現場に追われているときは、目の前の問題を片付けることで手一杯になる。上流から関われるポジションに移ると、「なぜこうなっているのか」「次はどうすべきか」を考える余裕が生まれる。その違いが、仕事の質にも自分の成長にも出てくるんだよな。

上流工程に入ったとき、施工管理経験だけでは足りなかった話

源さん
源さん

転職してよかった話をたくさん聞かせてもらいましたが、逆に「思っていたのと違った」「ここは大変だった」という本音も教えてもらえますか。

大村さん
大村さん

設計や企画段階から関わる仕事は、施工管理とは全然違う種類の難しさがあります。
現場では「目の前の問題をどう解決するか」が仕事の中心でしたが、今は「最初からどう設計するか」という思考が求められる。施工管理の経験はあっても、上流工程の考え方には慣れるまで時間がかかりました。

源さん
源さん

具体的にどんな場面で壁を感じましたか?

大村さん
大村さん

顧客への提案の場面ですね。施工管理のときは「こうやって作ります」という話が中心でしたが、今は「なぜこの設計が最適か」をコストや長期的なメンテナンス性も含めて説明しなきゃいけない。
最初は施工管理の経験から「現場ではこうだった」という話に頼りすぎていて、提案の説得力が弱かった時期がありました。

このギャップは正直に話してくれたことに価値がある。「施工管理の経験があれば上流でも即戦力」という話は半分本当で、半分は違う。現場経験は武器になるが、それだけでは足りない部分がある。転職前にそのギャップを知っておくかどうかで、入ってからの心構えがまるで変わるぞ。

水処理業界の施工管理の将来性

源さん
源さん

大村さんの話を聞いて改めて感じたのは、水処理という分野の仕事は「なくなるリスクが極めて低い」ということだ。水は製造業にも食品業にも製薬にも欠かせないインフラだ。工場が動いている限り、排水処理設備の需要はなくならない。

脱炭素・環境規制の強化が、水処理需要を押し上げている

環境規制は年々厳しくなっている。排水基準の強化や、水資源の再利用を求める流れは、製造業全体に広がっている。これは俺の感覚だが、発注者サイドに関わるようになってから、水処理設備の更新・高度化に関わる案件が明らかに増えてきた。

既存設備の維持管理だけでなく、より高度な処理技術への置き換えも進んでいるから、施工管理の需要は今後も底堅く続くと見ている。

この記事の主人公も、最初の一歩は相談からだったぞ。

施工管理の経験者が、専門企業で一番重宝される理由

水処理設備の専門企業では、現場を知っている人間と知らない人間とで、仕事の質に明確な差が出る。

設計図の無理を見抜けるか、現場調整で何が起きるかを先読みできるか。これは教科書では身につかない経験だ。大村さんが話していた「現場経験が上流工程で武器になる」という感覚は、この業界では特に顕著だ。施工管理出身者は、専門企業に転職した後の成長が早い傾向がある。

27歳で転職した大村さんが、今後描けるキャリアの幅

水処理設備の施工管理経験に加えて、設計・提案・上流工程の経験が積み重なっていくと、30代以降のキャリアの選択肢が大きく広がる。プロジェクトマネージャーとして全体を統括する道もあれば、技術営業として顧客の課題を解決する提案をする道もある。現場だけにいると見えなかった景色が、ポジションを変えることで見えてくるんだよな。

まとめ

大村さんの話で一番印象に残ったのは、転職の動機が「逃げ」じゃなかったことだ。

3週間休めなかった夏の経験が背中を押したのは事実だが、「こういう仕事がしたい」「こういう経験を積みたい」という方向性が先にあった。その2つが重なったから、転職後にちゃんと結果が出ている。

施工管理の経験は、現場を離れてからのほうが価値が見えやすくなる。設計や提案の場で「現場では実際にこうだった」と言える人間は、そう多くない。今の仕事でその経験が武器になっていると話してくれた大村さんの言葉は、施工管理をやってきた人間全員に当てはまる話だと思っている。

「このまま現場を続けていていいのか」と考えているなら、まず自分が積んできた経験を棚卸しすることから始めてくれ。施工管理の経験年数、扱ってきた設備の種類、資格の有無。それを整理するだけで、次のステップが見えてくる。同じ業界で環境を変える選択肢については、年収が跳ね上がる!?施工管理の資格が高く売れる特需業界4選も参考にしてくれ。