元施工管理が語るデータセンターのファシリティマネジメントの魅力とは?

元施工管理が語るデータセンターのファシリティマネジメントの魅力とは? キャリア情報

はじめに:施工管理から見たデータセンターの魅力

源さん
源さん

上田さん、はじめまして。早速ですが、施工管理からデータセンターのファシリティマネジメントに転職されたと伺いました。正直、現場の泥臭さとは正反対の世界に感じるんですが、なぜその道を選ばれたんですか?

上田さん
上田さん

ありがとうございます、源さん。たしかに最初は周囲にも「ずいぶん変わったね」と言われました。ただ、自分の中では「つくる」から「守る」へ視点を変えただけなんです。

施工管理で現場の工程や安全を支えてきた経験を、今度は建物全体の安定運用に活かしたいと思うようになりまして。特にデータセンターのような止められない施設では、責任とやりがいの両方を感じられます。

源さん
源さん

なるほど・・・。たしかに、施工管理って短期のプロジェクトで結果を出す世界ですけど、ファシリティマネジメントは長期的に「建物をどう動かし続けるか」を考える仕事ですよね。

施工管理で鍛えられた判断力とか段取り力って、そっちでも通用するものなんですね。

上田さん
上田さん

おっしゃる通りです。施工管理のスキルって、「使える場所」を変えればそのまま価値になると感じました。

実際、今の職場でも、設備の図面が読めるとか、業者さんとの調整ができるというだけで即戦力として扱ってもらえるんです。むしろ、施工現場を経験してきた人のほうが、物事を俯瞰で見たり、トラブルに柔軟に対応したりできるので重宝されています。

施工管理経験が活きるファシリティマネジメントの世界

施工管理では、建物の品質・工程・安全・コストを総合的にマネジメントし、限られた工期の中で成果を出す力が求められます。一方、ファシリティマネジメントは建物が完成したその後を支える仕事で、より長期的な視点が必要になります。

特にデータセンターのような施設は、電気・空調・通信設備が24時間365日止まらずに稼働し続けることが前提です。だからこそ、施工管理で培った知識や現場対応力が活きる場面は非常に多いと実感しています。

  • 設備や図面を読み解く力 → 設計の意図を理解し、保守・改修に活かせる
  • 現場での工程調整力 → 点検や更新工事のスケジュール調整に不可欠
  • トラブル対応力 → 突発的な設備異常時に即断即決できる
  • 安全・リスク意識 → 人員や設備の安全を守る基本として浸透している

こういったスキルは、ファシリティマネジメントの現場でも高く評価されます。

なぜデータセンターが注目されるのか?

AI、IoT、クラウドといった技術が社会に広がる中で、データを支える物理的なインフラとしてデータセンターの重要性は急激に高まっています。特に企業のDXが進むにつれ、「止まらない」「守り続ける」ことの価値が増しています。

その最前線で働けるのが、ファシリティマネジメントという仕事です。そして、その仕事を技術と現場感覚の両面で支えられるのが、施工管理経験者だと思っています。

データセンターのファシリティマネジメントとは?

源さん
源さん

上田さん、ファシリティマネジメントって漠然と建物を維持する仕事ってイメージがありますが、データセンターだと具体的にどんな業務があるんですか?

上田さん
上田さん

はい、データセンターのファシリティマネジメントは、かなり専門性が高いですね。主に、電気・空調・セキュリティ設備の監視や点検、非常時対応、エネルギー効率化、そして改修工事の計画と管理などが中心になります。

中でも電源系統や空調の運用は極めて重要で、少しの異常がシステム全体のダウンにつながるので、緊張感のある業務です。

源さん
源さん

止めないための仕組みを維持するわけですね。

施工管理と違って、一度つくった後も長期的に手を入れ続けていく、そんな感じでしょうか。トラブル対応も、即時性が求められそうです。

上田さん
上田さん

施工管理は完成させることがゴールですが、ファシリティマネジメントは「継続して最適に動かし続ける」ことが目的になります。

点検のスケジュール調整、予防保全の企画、更新工事の段取りなど、毎日がプロジェクトのような感覚です。その点、施工管理で磨いた現場調整力やリスク管理能力は本当に活きています。

データセンターのファシリティマネジメントの役割と求められるスキル

データセンターにおけるファシリティマネジメントは、建物や設備の維持にとどまりません。高可用性と無停止運用が求められる環境で、インフラの安心・安定・安全を支える使命を担います。主な業務内容は以下のとおりです。

  • 設備の維持管理:電気、空調、セキュリティ設備などの監視・保守対応
  • 非常時対応:停電、火災、地震などのリスクに備えた緊急対応計画の立案と訓練
  • 省エネ・コスト管理:エネルギー効率の向上やランニングコストの最適化
  • 工事計画と監理:改修・増築プロジェクトにおける計画立案と現場監督

これらの業務には、単なる管理以上の専門知識と現場力が求められます。特に、以下の分野で施工管理経験者は強みを発揮できます。

  • 電気・空調の構成理解:受変電設備、UPS、精密空調などの設計・施工経験が活かせる
  • 備図面の読解力:システムの構成を的確に把握し、障害発生時にも迅速に対応できる
  • 現場対応力:設備業者やテナントと連携しながら、柔軟に工程を調整する力

一般的な施工管理との違い

施工管理は、短期的な工事の完成を目指すプロジェクトベースの働き方です。一方で、ファシリティマネジメントは「運用の最適化」という長期目線での仕事になります。

施工管理が「0→1」の達成感なら、ファシリティマネジメントは1を守り続ける継続の積み重ねです。設備は使い続けることで劣化していくため、定期的な保全や更新が欠かせません。日々の運用に小さな工夫や改善を重ねることで、大きな障害を未然に防ぐことができます。

そして何より、ファシリティマネジメントは問題を起こさないことが評価される仕事です。施工管理とはまた違ったプレッシャーとやりがいがある世界だと実感しています。

施工管理経験者がデータセンターで活躍できる理由

源さん
源さん

これまでのお話を聞いていると、ファシリティマネジメントってなかなか専門的な領域に思えるんですが、施工管理の経験ってどこまで通用するものなんですか?

上田さん
上田さん

実は、思っている以上にそのまま使えるスキルが多いんですよ。特に電気や空調といった設備系の知識は、データセンターの運用には欠かせませんし、現場での調整力や交渉力もすごく重宝されます。

施工管理で高圧設備やUPSに関わったことがあれば、それだけで戦力になります。

源さん
源さん

たしかに、施工管理って協力会社と折衝したり、設備ベンダーと調整したりする機会が多いですもんね。

現場のクセを理解している人間だからこそ、いざというときに頼りにされるってのはわかります。

上田さん
上田さん

むしろ、施工現場で「人を動かしてきた」経験がある人のほうが、設備更新の段取りや、異常時の切り分け対応に強いと感じますね。

ベンダー任せにしない、自分で現場を把握できるという点は、施工管理出身者の大きなアドバンテージだと思っています。

設備・電気・空調管理の知識が武器になる

施工管理で身につけた設備に関する知識や現場感覚は、データセンターのファシリティマネジメントにおいて即戦力になります。とくに以下のような領域では、施工管理の経験がそのまま活かせます。

  • 高圧受変電設備やUPSへの理解 → 電源系統の管理、異常時の切り分け、復旧判断に役立つ
  • 空調設備(精密空調、冷却塔、外気処理ユニット等)の管理 → 室温・湿度を厳格に制御する必要があるデータセンター特有の設備に対応できる
  • 設備設計・更新に関する知見 → 設備のライフサイクルを見据えた中長期の運用計画が立てられる

こうした知識は、マニュアルをなぞるだけでは補えない「実務力」として評価されるポイントです。

現場調整能力が評価される場面とは

データセンターでは、日常の点検業務だけでなく、外部業者との連携や、運用チーム・セキュリティ部門・クライアントなど、多くの関係者との調整が求められます。そのため、施工管理で培った以下のようなスキルが重宝されます。

  • 段取り力・工期意識:作業の優先順位やタイミングを的確に判断できる
  • 折衝・調整スキル:現場を円滑に回すための対人スキル
  • リスクヘッジ力:工程遅延や設備トラブルを想定して先手を打つ力

実務を知っている人として、周囲からの信頼を得やすいのも施工管理経験者ならではの強みです。

施工管理からの転職成功例

実際に、私のまわりでも施工管理からデータセンターFMに転職して活躍している方は多くいます。たとえば――

  • 電気施工管理 → データセンターの電源管理担当

    高圧設備や発電機、UPSの導入・更新工事を経験していた方が、今では施設内の電源管理のプロとして活躍。停電時の切替運用や、電力供給の最適化において中心的な存在です。

  • 建築施工管理 → データセンターの改修プロジェクト管理

    建物のレイアウト変更や新サーバールーム増設など、構造に関わる改修工事の監督を担当。工程調整から品質管理、安全対策まで、ゼネコンで培った力をそのまま発揮されています。

このように、施工管理の「現場経験」と「技術知識」は、ファシリティマネジメントの現場でも大きな武器となり、専門性を磨きながら新たなキャリアの柱を築くことが可能です。

データセンターの種類と働き方の違い

源さん
源さん

データセンターといってもいろんな形態があると思うんですが、働き方もそれによって変わってくるんでしょうか?建物全体を見ている人もいれば、一部だけを担当する人もいるって聞いたことがあって・・・

上田さん
上田さん

はい、おっしゃる通りです。たとえば、建物全体を管理するケースでは、電力供給から冷却システム、セキュリティまで、インフラ全体を把握する必要があります。

一方、テナント型の施設では、ワンフロアや一部区画の設備のみを担当するケースもあります。扱う範囲が違うだけで、求められる設備知識や緊張感には大差ありません。

源さん
源さん

なるほど・・・。フロア単位でも止められないのは変わらないわけですね。現場の見える範囲が違うだけで、根本的な責任感は同じか。

あと、最近は複数のデータセンターをまとめて管理してる企業も多いって聞きますけど、それってどうやって対応してるんですか?

上田さん
上田さん

はい、全国に複数拠点を持つ事業者も増えています。そういった場合、施設ごとに現地常駐の担当者がいて、さらにそれを統括する運用本部が遠隔で監視するという体制を取っているところが多いですね。

全体の負荷分散やバックアップの連携もあるので、個別の建物ではなく、ネットワーク全体のインフラとして見る視点が必要になります。

建物全体 vs ワンフロア、管理範囲による働き方の違い

データセンターのファシリティマネジメントは、担当する範囲によって業務内容や求められる視野が変わります。

  • 建物全体を管理する場合

    施設全体の電源供給、冷却設備、セキュリティ対策など、インフラ全般の運用に責任を持ちます。設計・構造に関する理解も求められ、総合的な設備知識が必要になります。

  • ワンフロアのみを管理する場合

    テナント単位で入居している企業のITラックや専有設備に対する維持管理が中心になります。電源供給や空調制御もフロア単位で最適化されており、限られたスペースの中で高密度な運用管理を行うことが求められます。

いずれのケースでも、施工管理で培った「設備の構成理解」「現場調整力」「トラブル時の即応力」は不可欠なスキルです。

複数拠点を管理するファシリティマネジメントの実態

大手のデータセンター事業者では、全国に複数の拠点を展開しているケースが一般的です。そのため、FM(ファシリティマネジメント)担当者は、以下のような働き方になります。

  • 各拠点に常駐しながら、それぞれの施設運用を担当
  • 統括部署が中央で各拠点の状態をリアルタイム監視し、情報連携やトラブル対応を支援
  • 遠隔制御システム(BMSやDCIM)を活用して、複数拠点の一元管理を実現

このような分散型管理体制の中では、拠点ごとの設備状況を正しく把握する能力とともに、全体最適の視点を持つことが重要になります。

データセンター同士のネットワークと運用連携

近年のデータセンターは、単体で完結するものではなく、複数拠点がネットワークで連携しながら機能を補完し合う構成が一般的です。たとえば――

  • 東西にバックアップ拠点を分散配置し、災害時に切替可能な構成をとる
  • サーバー負荷のバランスを見ながら、拠点間で処理を分散
  • ある拠点で障害が発生した際、他拠点が代替処理を引き受ける仕組みを構築

こうした環境下では、単なる建物管理を超えて情報インフラ全体の安定運用を支える視点が求められます。

施工管理の現場で培った「俯瞰力」「構造把握力」「危機対応力」は、こうしたネットワーク型運用の中でも大きな強みになるはずです。

データセンターならではのやりがいと魅力

源さん
源さん

正直なところ、データセンターって裏方の仕事という印象があって、やりがいや達成感って感じにくいんじゃないかと思うんですが…実際どうなんでしょう?

上田さん
上田さん

建設業のように完成が見える世界ではないかもしれません。でも、私が一番魅力に感じているのは「社会インフラを止めない」という使命感ですね。

日常では見えにくいですが、電力、ネットワーク、ストレージ、すべてが正常に動いているのは、私たちが現場で支えているからなんです。

源さん
源さん

特に今はクラウドだのAIだのって時代だから、裏でそれを守ってるって考えると、責任もやりがいもかなり大きそうです。

あと…施工管理と比べて、働き方も結構違うんじゃないですか?

上田さん
上田さん

はい、その点も大きな違いですね。施工管理は天候に左右される現場仕事が多かったですが、データセンターは屋内での業務が基本なので、環境は非常に安定しています。

それに、決まった施設で継続的に働けるので、家族がいる方にも向いていると思います。精神的な負荷の種類も変わって、作業中断させないという違った意味での緊張感がやりがいにつながっています。

社会インフラを支える使命感

データセンターは、24時間365日稼働を前提とした「社会の裏側を支えるインフラ」です。クラウドサービス、金融取引、行政システム、医療データ――あらゆる社会機能が、データセンターの安定稼働によって成り立っています。

このため、ファシリティマネジメントに携わる私たちは、設備のひとつひとつが「止まってはいけない」存在であることを常に意識しています。

  • 停電を未然に防ぐ電源管理
  • 熱暴走を防ぐ精密空調の監視
  • セキュリティ障害を防ぐ入退室管理

こうした日々の運用が、社会の安定につながっているという自覚こそが、私の最大のやりがいです。

最先端のセキュリティ・設備に触れられる環境

データセンターは、常に最新の設備と高度なセキュリティ対策が求められる現場です。

  • 生体認証や多重ロックによる入退室管理
  • AIを活用した温度監視や省エネ制御
  • 最新のUPS(無停電電源装置)や高効率冷却装置の導入

施工管理時代には完成を目指して設備を導入していましたが、今はそれを最適な状態で動かし続けるための工夫が求められます。その分、技術の進化を肌で感じながら、自分の知識やスキルをアップデートできる環境に身を置けているという実感があります。

施工管理と比べた働き方の違い

施工管理は、プロジェクト単位で現場が変わり、天候や工程の遅れに左右されがちです。一方、データセンターは以下のような点で働きやすい環境だと感じています。

比較項目施工管理データセンターFM
作業環境屋外・天候に左右される屋内・空調完備の安定環境
勤務スタイルプロジェクトごとに現場移動あり拠点常駐で腰を据えた勤務が可能
勤務時間長時間・休日出勤も多めシフト制・有休取得しやすい職場もあり
ストレス要因工期・天候・工程トラブル継続運用の緊張感・障害対応のプレッシャー

成長と挑戦に満ちた仕事

表に出る仕事ではありませんが、社会の根幹を守るという意味では縁の下の力持ちどころか、社会の背骨を支える役割だと私は思っています。

そして今、AIやクラウド技術が次々と進化する中で、データセンターのファシリティマネジメントは今後ますます重要になります。

  • 設備とITの知識を融合させる
  • 技術革新に合わせて運用改善を続ける
  • 社会の安定に直接寄与する仕事を担う

この環境に身を置けること自体が、私にとって挑戦と成長の機会だと感じています。

施工管理からデータセンターFMへの転職を考えるなら

源さん
源さん

これまでのお話を聞いて、施工管理の経験ってそのまま通用するんだなと感じました。ただ、いざ転職を考えたときに、やっぱり資格とか求められるんでしょうか?未経験でも入れるのか気になります。

上田さん
上田さん

確かに設備を止めないという性質上、ある程度の専門知識は求められますね。特に電気系の知識やエネルギー管理に関わる資格は重宝されます。

ただ、実務経験がしっかりあれば未経験でもスタートできる職場も多いですよ。企業によっては入社後に資格取得を支援してくれる制度も整っています。

源さん
源さん

なるほど、施工管理の中でも特に設備寄りの人にはチャンスが大きいって感じですね。

それにクラウドとかITにちょっと関わるイメージもあるから、今後のキャリアの広がりもありそうです。

上田さん
上田さん

おっしゃる通りです。私自身も入社後にITやクラウド関連の知識を学びましたし、今ではそれが業務の一部になっています。

施工管理で築いた“現場対応力”に加えて、こういった分野にも踏み込めるのが、データセンターFMの面白さだと思います。

求められる資格やスキルセット

データセンターファシリティマネジメントを目指す上で、以下の資格や知識は非常に役立ちます。

主に求められる資格

  • 電気主任技術者:電源管理や非常時対応で必須の資格。特に第2種以上であれば即戦力扱いされることもあります。
  • エネルギー管理士:省エネ推進や電力コストの最適化を担当できる専門資格で、エネルギーマネジメントの分野で強みになります。
  • ファシリティマネージャー資格(認定FM):施設管理の総合知識を証明する資格で、現場と経営の橋渡しを担う役割として評価されます。
  • ITに関する基本的な知識:クラウドサービスやネットワーク設備の仕組みを理解し、設備監視やシステム連携の場面で役立ちます。

これらの資格がなくても応募可能な企業はありますが、取得していると転職時に明確なアドバンテージになります。

転職先の選び方とおすすめ企業

データセンターFMに関連する企業は多岐にわたりますが、以下のような業態でのニーズが特に高まっています。

  • 大手クラウドサービス企業のデータセンター:自社でインフラを保有・運営しているため、社内設備部門として長期的に働ける環境が整っています。
  • コロケーションサービス提供企業:他社のサーバーを預かる形で運用するため、高いセキュリティ意識と安定稼働が求められます。
  • 大手SIer(システムインテグレーター)のファシリティマネジメント部門:社内外のインフラ整備や運用を担い、幅広い設備管理スキルが活かせます。

現場重視の企業もあれば、BIMや遠隔監視など先端技術を導入している企業もあり、自分の志向に合った職場選びが重要です。

実際に転職した人のキャリアパス

ファシリティマネジメントの経験を積むことで、以下のような多様なキャリアパスが見えてきます。

  • 施設管理の専門家:データセンターでの設備管理経験を活かし、商業ビル、病院、大学キャンパスなど、他の大規模施設でファシリティマネージャーとして活躍できます。
  • エネルギーマネジメントのプロフェッショナル:省エネ対策や電力効率化の経験を元に、企業のエネルギー戦略部門やコンサルタントとしてキャリアを築けます。
  • IT関連のマネジメント職:ITインフラやクラウド運用に関する知識を深めることで、IT部門のマネージャーやクラウドサービス運用管理者としても活躍可能です。
  • データセンタープロジェクトマネージャー:新設・改修プロジェクトの責任者として、施工管理の工程管理力を活かし、大規模プロジェクトの成功を導く役割を担います。

このように、データセンターのファシリティマネジメントは、守るだけでなく“攻めのキャリア”も描ける仕事です。施工管理の現場経験を活かして、より広く、より深く活躍する道が確かに存在します。

まとめ:施工管理の経験は、止めない技術の世界でも生きる。

俺自身、施工管理として長年現場に立ってきたけど、このインタビューを通じて改めて感じたのは――施工管理で培った力は、形を変えて次のフィールドでも通用するということだ。

データセンターのファシリティマネジメントって、外から見ればIT寄りで、なんだか別世界に感じるかもしれない。

けど話を聞いてみると、現場の調整、段取り、トラブル対応、安全意識――どれも、施工管理の延長線上にあるスキルなんだよな。

それに、社会インフラを365日止めないっていう使命感。これは「工期を守れ」「事故を起こすな」と言われ続けてきた俺たちには、どこか通じる部分があると思う。

あと、環境面や働き方の違いも大きい。現場が変わるたびに移動して、天気に振り回される施工管理に比べて、空調が効いた屋内で、腰を据えて施設を管理できる環境ってのは、正直うらやましい。

もし今、施工管理としてこの先のキャリアに悩んでいるなら、”つくる”から”守る”へ視点を変えてみるのも一つの手だと思う。

俺は上田さんの話を聞いて、経験は過去のものじゃない、未来を切り拓くための道具だってことを、もう一度思い出したよ。